3パック目14手目
人生はマジックのドラフトのようだとつくづく思う。
早い順目から一つの戦略にこだわってピックしてきた人は、カードの出方や色の棲み分け次第ではとても強力なデッキが組める。だが失敗した決め打ちデッキほど悲惨なものはない。
手広く構えて流れを読むのは賢い方針である。がそれで3-0するのは大変な技量がいる。フワッとした器用貧乏デッキになってしまえば回すのもつまらない。
とんでもない神話レアを初手で取れる人がいれば、味気ないコモンからピックを始めるしかない人もいる。人生もしかり。人生は基本セットもびっくりのレアゲーだが、ピックの取捨選択もそれなりに大きい要素としてある(あった)とは思う。というかそう信じるしかない。
ところでドラフトはピックラウンドの次に対戦ラウンドがあるわけだが、人生の対戦ラウンドはいったいいつ始まるのでしょう。はい。それはきっと、30代なのではないかと、友人が続々30歳になるなかでぼんやり思う。とりあえず組んだデッキで対戦してみて、さらに新しいことを学んだり、昔のピックを後悔したりとするのが30代なのでしょう。根拠はない。
僕もいよいよそのへんのアンケートで20代と答えるべきか30代と答えるべきか迷う歳である。正直人生の対戦ラウンドがいったい何をめぐる戦いなのかもまだよくわかっていない。やべえデッキ組んじまったとぼやきながら、とりあえずペアリングシートが張り出されるのを待っている。