魔法の夜の英語教室
絵師の Seb Mckinnon をフィーチャーした Secret Lair が発売されるらしい。
美しい絵の《魔法の夜/Enchanted Evening(SHM)》が収録されるそうだが......ふとこのカード、名前に "night" ではなくて "evening" を使っているのが気になった。
僕の認識では evening は night の下位概念である。
まず「日没」から「日の出」までの時間全部が night。そして night のうち「日没」から「深夜」までの時間が evening。「深夜」から「日の出」までがmidnight。無理やり式にすると evening + midnight = night となる。(諸説あり)
enchantment つまり魔法の「いつか解ける」性質が、 night の一部分しか表さない evening と相性良いのかな~などと思いつつ、 Google Ngram Viewer でそれぞれの用例数を調べてみた。
200年ほど前は Enchanted Night が多数派だったが、1950年頃を境に Enchanted Evening の用例数が急増。以降波がありつつも Enchanted Evening が常に多数派を維持している。
Google で Enchanted Evening 1950 を検索してみたら答え発見。1949年にアメリカで初公開されて大ヒットしたミュージアム "South Pacific" に、 "Some Enchanted Evening" という人気ナンバーがあるらしい。
こうして evening は enchant と相性が良い単語(共起表現)になったわけです。
Google の検索ヒット数も "enchanted night" が21万件なのに対して ["enchanted evening" -"some enchanted evening"] が210万件で圧倒的。知らなかった僕は Enchanted Evening に違和感を覚えてしまったが、アメリカ人は逆に Enchanted Night に違和感を覚えるのかもしれない。