真髄の針

 

 ゼンディカーの夜明け/Zendikar Risingのリリースからもうすぐ1週間が経つ。
 僕は珍しくMOのドラフトリーグで遊んでいる。8回やって15勝9敗で勝率63%......と書くと若干聞こえはいいけど、3-0が1回、2-1が5回、1-2が2回で煮え切らない思いばかりが募る。しかも24パック剥いて出会った神話レアが赤のドラゴン(2チケ)1枚だけで相当寒い。GoatbotsのEV Calculatorによると、ZNRドラフトリーグのブレイクイーブンポイントは勝率68%(本日時点)ということでそもそも並のプレイヤーじゃ稼げやしないフォーマットなのでしょう。プレリおじさん達が消え始めたら怒涛の勢いでチケット減りそう。

 

 まだまだ勉強中だけどZNRのコツは「ハースストーンをプレイすること」かなと今のところ感じている。土地14両面カード6みたいなマナベースはフラッド知らずスクリュー知らず、つまり実質ハースストーンでとても安定する。自分だけがハースストーンをしている場合、相手は愚かにもマジックザギャザリングをしていることになるので「土地」という時代錯誤なシステムに足元をすくわれて死ぬのである。両面カードは表面もわりと強いので優先してピックしている。
 とはいえ3-0できるデッキはハースストーンをも轢き殺す尖ったマジックザギャザリングのデッキっぽい(もしくは強すぎるハースストーンのデッキ)。どうやって組めばいいのかわからん。俺はようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠いドラフト坂をよ。

 

 

 閑話休題

 

 

 ところで今日は最近マジックをプレイしている時に覚える謎の違和感について書きたい。それは「自分はもうとっくにこのゲームを引退している」という妙な感覚で、それゆえに最近は勝ってもそれほど嬉しくはなく、負けてもあまりイライラすることがない。
 引退していることは「辞めた」ことを意味せず、現に僕は毎日MOにログインしてるし、Twitchで他人のプレイを見ながら飯食ってコーヒー飲んでるし、通勤中も他人のデッキリストやドラフトログを見続けている。確実に辞めてはいない。けれどどこかで勝ち負けには冷めている。しかも皮肉なことに、この冷めた感覚故にか、明らかに昔より――それこそ1日に4回DE出たりMOでの小遣い稼ぎに執心してた頃より――マジックへの理解が深まったような気がしている。
 中二の時にルールを覚えてかれこれ15年が経った。僕が初めてマジックに触れたのは最初のゼンディカーを訪れるより前だった。この15年間、自分が「勝てるプレイヤー」だと勘違いして張り切っていた頃もあったし、マジックを呪いか何かだと思って苦しんでいた頃もあった。だけどそういった感情はもう消えてしまった。今は純粋に考える楽しみを味わうために好き好んでマジックをしている。
 引退したのはマジックに何かを期待することだろうか。引退、冷めるなどとネガティブな言葉を使ったが、何であれ今はマジックとかなり良い付き合い方ができている。そして、久しぶりにもっと上手くなりたいと感じている。この「上手くなりたい」はプロツアーに出たいとか賞金が欲しいとかではなく、もっと深いところまで考えられるようになりたいというか、真髄に触れてみたいというか、漠然としているけどそういうもの。


 ひとまずMOがサービス終了するまではマジックやってようかなと思う。あと3~4年かな?今のところ大丈夫っぽいけどMOでチケット破産したらアリーナへの移行も視野に......。
 このブログも最近では扱いに困っていたが、またDiarynoteの頃のように取り留めなくあれこれ書き残していく予定。